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まちでであった芸術。そのしごと、しごと場。
by gei-shigoto
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水口克夫 得意技を見つける

水口克夫(みずぐち・かつお、1964~)は、日本のアートディレクターである。電通入社後、アートディレクターとしてさまざまな分野のプロジェクトにたずさわったのち、2003年にシンガタ設立に参加。2012年には独立してホッチキスを設立。NEC「バザールでござーる」シリーズやJR東日本「北陸新幹線開業キャンペーン」、サントリー「ボス」「響」、全日空、明光義塾など数多くのヒット広告の制作やブランディングを手がけている。


デザインの世界には、“タイポグラフィの巨匠”と呼ばれるような大先輩がたくさんいらっしゃるから、あくまで僕なりにという話だけれど、こうして文字というひとつのよりどころができたことで、表現に強さを担保しやすくなった。

気持ちのうえで余裕をもって仕事に取り組めるようになったのもまちがいない。おかげで、発想がかえって自由になり、文字以外のところでも力が発揮できるようになった。

僕にとってのこの「文字」にあたるもの、つまり得意技は、きっとだれにでもあるはずだ。こういうものがひとつあるだけで、アートディレクションのスタイルに軸が生まれる。自分にとっての得意技はなにか。そのことは、はやいうちから自問したほうがいい。

僕がそうだったように、いろんなアートディレクターの先輩たちに話を聞いても、手がかりは学生時代に見つかることが多いようだ。

もしそのころを振り返ってみて、「ここが他人とちがう」「これが特別好きだ」と思いあたるものがあるなら、そこで勝負してみる価値はあると思う。

*水口克夫著『アートディレクションの「型」。 デザインを伝わるものにする30のルール』、誠文堂新光社、2015年。


〔感想〕
なんでもこなせるということはいいことのようだが、ときに弱さにつながる。だから、何か一つ得意技をもっておいたほうがいい。その手がかりは学生時代に見つかることが多いという。同感である。
学部時代、地理学の研究にも打ち込んだが、男声合唱もがんばった。それまでのやり方を変えて80人の部員の発声指導を自ら買って出たし、個別指導もしていた。教育で試行錯誤する姿勢は、そのころからあったのだ。
その姿勢は、大学院に行ってからも変わらなかった。学部時代はほとんど一人で研究していたが、大学院時代にはとにかくよく仲間や後輩と話した。研究の相談に毎日のように乗っていた。ある後輩から、「教育者ですね」と言われたことを覚えている。考えてみると、そのような指摘を受けたことはそれきりなのだ。他の職業に向いていると、他人から指摘されたことはない。手がかりは、学生時代に見つかるものなのである。
by gei-shigoto | 2016-10-09 19:04 | 美術
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