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森村泰昌 おとなの言い分につきあう
森村泰昌(もりむら・やすまさ、1951~)は、日本の現代美術家である。京都市立芸術大学美術学部卒業、専攻科修了。1985年、ゴッホの自画像に扮するセルフポートレイト写真を制作。以降、一貫して「自画像的作品」をテーマに作品を作り続ける。2014年開催の横浜トリエンナーレでは、アーティスティックディレクターを務める。芸術家として多くの作品を世に問い続ける一方、文筆家として雑誌や新聞へ寄稿するほか、著書も多数。
こうして多様な教育の方法論があるのは素敵な状況だと思います。しかし、これは教育について外野である私のまことに勝手な言い分ですが、生徒諸君はいずれにしてもなかなか大変なお荷物を背負うことになるのかもしれないと不安も感じてしまいます。というのも、先生というおとなの価値観に、それがどんな価値観であれ、生徒諸君はつきあわされるわけですから。 したがって私はこんなふうに思います。ホントのところ、我々おとなが生徒諸君を指導しているかに見えて、じつは生徒諸君がおとなの言い分につきあってくれているのではないか、と。「おとなって自分勝手な熱意と誠意で頑張ってくれるよなあ、迷惑だけどつきあってやるか」、そんなませた子はいないとは思いますが、若い人たちが心の奥のどこかに、これと似た気持ちを潜ませていても決しておかしくはない。若かった頃の私自身を振り返って、そんなふうに改めて思った次第です。 *森村泰昌著『美術、応答せよ! 小学生から大人まで、芸術と美の問答集』、筑摩書房、2014年。 〔感想〕 どんな仕事でもそうだと思うが、教師という仕事のつらさも、やってみた人でなければわからない。 教師という仕事のつらさ。それは、自らの価値観を強く求められる仕事でありながら、その一方で、それに従わない学習者を広く受け入れなければならないという矛盾であると思う。信念を持ちつつ、その信念で学習者を縛らないという難しさ。 わたしは子育てをしたことはないが、親子の問題の多くは、親がこの矛盾した姿勢を身につけることができれば、解決するのではないだろうか。 以上が、森村の鋭い見解を読んで、考えたことである。このような見解が、美術の世界から出てくることに、注目したい。 教師として、私は留学生に、私が共感した文化人の思想をぶつけている。しかし、それで終わらない。感想文を作品とみなし、そこから伝わってくるものを受け止めるコメントを添えている。自分の価値観をかたわらに置き、留学生の多様な価値観に身体を開き、生きてみる。それはときに、苦しい。 しかしこういう姿勢を続けていると、普段の授業の姿勢も、知らないうちに変わってくるように思う。
by gei-shigoto
| 2016-09-25 17:44
| 美術
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