暮れの日本語学校。授業の終わりにパスカルズの「Taking Dog Fields」を聴く。
学生は自然だった。様々なイメージ。感性。
以下に紹介するのは、ある男子学生の感想文である。教室の後ろのほうにいて、普段あまり発言することはない。
しかし、どうだろう。こんなにほとばしり出るのだ。詩は、実はすぐそこにいつも控えている。
この曲を聴くと、幼い時のことを思い出した。カントリーロード。帰る道で、仲間と一緒に遊んでいた。懐かしくて楽しくて、幸せなんだ。
そのままで、私たちは成長した。都市に行って、いろいろなことと出会った。辛いことがあったり、うれしいこともあったんだ。眩しい、楽しい。しかし、孤独だ。絶望するほど孤独なんだ。現実の生活は何も変わらない。
そして、私はまた小さいときのことを思い出したんだ。本当に懐かしいな。ずっとこのままで生きていればよかったな。
目が覚めた後、耳に現実と記憶の声が混じっているんだ。その思い、その孤独感は、もっと深刻になったんだ。人間は本当にこうやって、自分の人生を経て、終わらせるのだね。