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まちでであった芸術。そのしごと、しごと場。
by gei-shigoto
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Art Plant 野外アート展 in 里山・狭山丘陵

25日(日)、東大和市の市立狭山緑地。
2年前、スウェーデンの作家を招いて開催された野外アート展の第2回展。前回はスウェーデンの博物学者リンネの生誕300年を記念した事業の一環だったが、今回は、地元のNPO法人創造エンジンが一から準備し、3人の海外作家を含めた内外18人の作品が森を彩るアート展になった。

〔出展作家〕クレア・ゲーリン(アイルランド)  エサウ・デ・レオン(メキシコ) ナディアカ・パノヴァ(ブルガリア)  池平徹兵  相本みちる  青木允  安部公房  小野さやか  木下奈緒美  小林耕二郎  千葉隆弘  寺田忍  本間広基  村上佳奈子  吉田佑子  吉本伊織  和田昌宏
〔特別参加作家〕久保田弘成

狭山緑地は、狭山丘陵の南端にある。すぐ南を、青梅街道が東西に走っている。そこの集落に下ってゆくなだらかな谷が続いている。谷を横切るかたちで木道がついていて、ゆるやかに登り降りしている。
西側の入り口付近はヒノキ林で、薄暗くヒノキの香りが濃い。しかしそこからはずっと雑木も竹林も間伐されていた。下草も刈られている。今も手入れの続いている里山なのだ。
それで、陽の差し込む場所が斜面のあちこちにある。そうしたこの丘陵ならではの広がりを取り込んだ作品が点在していた。

千葉隆弘「アルビノのマッコウクジラ」
角材で構成した鯨である。7、8メートルはあろうか。緩やかな谷のやや東寄りに虚ろな身を横たえている。ごく薄く白く塗られただけで、生命感はうすい。その分、10月の木々や草が瑞々しい。
少し離れて、西の斜面から見た感じがよかった。1体なのだが、1体で、一つの谷の奥行きも幅も従えているように見えた。谷あいを一身に集めている。置かれている位置と角度のせいであろうか。後で頂いた名刺を見ると、彫刻製作のほかに造園、設計と書かれてあり、納得した。

ナディアカ・パノヴァ「鳥の群れ」
木立ちの間引かれた明るい一角。窪みの中央に立ち木があって、その周りを木道が半周している。その樹上や切り株の上など、あちこちに素焼きの白い鳥が佇んでいる。
市立狭山保育園の園児らとワークショップで作ったもの。様々な姿があって、ここの風景によくなじんでいる。
立ち木の幹と枝に、斜めに赤い帯が張り巡らされている。その緊密な模様と、あちこちに自由な雰囲気で散在する白い鳥たちの対比がいい。
居心地のよい空間に、赤いブランコが下がっている。誰がつり下げたのか。その上にも、鳥が一羽。

エサウ・デ・レオン「コミュニティー」
周囲の幹や枝から張った釣り糸で、丸太を吊下げた作品。新聞の写真に写っていたのは1本だったが、13本で構成されていた。「コミュニティー」は、木道に立つ者を包むように、左と右に広がっていた。
それぞれ長さも太さも節の形も異なる。それから、向いている方向がまちまちだ。しっかりとつなぎ止められ静止しているが、どこか浮遊しているように見える。一定の広がりの中でのそれぞれの運動。それが、作家の描くコミュニティーなのだろうか。
里山は、人も含めた様々なものの共生の場。その資質を、「コミュニティー」というよく知られた言葉につなげてみせた。
by gei-shigoto | 2009-10-27 21:48 | 美術
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